DETAIL
ヒトデの栄養（多孔質構造のヒトデに着目した土壌改良材）とは
1.肥料の重要成分
肥料の「三要素」は、窒素（Ｎ）、りん酸（Ｐ）、加里（Ｋ）とこれ以外にもカルシウム（ca）やマグネシウム（Mg）イオウ（S）を含め６つの多量要素が植物の生育に重要な成分となります。微量要素として鉄（Fe）マンガン（Mn）や亜鉛（Zn）銅（Cu）などは葉緑素の生成と働きに重要な成分も存在します。
これらは基本的には土壌中の天然ミネラル成分が供給源となり鉄（Fe）などは土壌中に大量に含まれているため通常不足することはありませんが、土壌がアルカリ化すると吸収されにくくなり欠乏症が起きます。マンガン（Mn）は土壌が酸性化すると溶解しやすくなり過剰障害が起こります。
そのため、植物には生育に必要な成分以外にも土地のpH（酸性度）とも関係が深いと言われています。
2.化学肥料と輸入価格の動向
重要な主成分である窒素（Ｎ）、りん酸（Ｐ）、加里（Ｋ）について化学肥料の原料である尿素、りん安（りん酸アンモニウム）、塩化加里（塩化カリウム）について現在ほぼ全量を輸入に頼っています。農水省の令和３年度では「尿素」はマレーシアと中国であわせて８0％越え、「りん安」は中国で80％弱、「塩化加里」はカナダで80％となり１〜2ヶ国に集中して調達していることがわかります。また、肥料原料の輸入価格は令和3年以降上昇傾向にあり令和4年度は三要素【窒素（Ｎ）、りん酸（Ｐ）、加里（Ｋ）】の価格が2〜3倍になったケースもありました。
令和7年1月は落ち着いてきましたが、肥料原料の輸入が地政学的なリスクによって停まれば、日本の農業において収穫量の減少という大きなリスクが顕在化するため国産肥料の需要拡大は急務といわれています。
3.国内肥料資源の利用拡大に向けた行政と民間の動き
農林水産省の動向として、肥料原料の輸入停滞や価格上昇などのリスクを鑑み「国内資源の活用」、「原料の安定供給」、「価格対策」の観点から令和5年に国内肥料資源の利用の拡大を図るため、原料供給事業者、肥料製造事業者、耕種農家（JA等）の関係者が「国内肥料資源の利用拡大に向けた全国推進協議会」を設置し国内資源の利用割合を令和12年度までに40％に拡大することを目標としています。
4.化学肥料と温暖化
地球温暖化は大気中に大量に排出された二酸化炭素やメタンガス、フロンガスなどにより太陽からの熱の吸収が増えた結果、気温が上昇することですがその原因が化学肥料に含まれている 「亜酸化窒素ガス」 と言われています。2009年アメリカ海洋大気局（NOAA）の研究者のまとめによると、亜酸化窒素ガスが、地球のオゾン層を破壊する要因となり、二酸化炭素の約300倍の温室効果があると言われています。
このまま地球の気温が上昇した場合、地球温暖化がもたらす農作物への影響としてお米、野菜の栽培適地が北上していくことが予想されます。
5.有機農業（農地割合で0.5％→25％へ）の推進と「みどりの食料システム戦略」（農林水産省）
令和３年農林水産省は持続可能な食料システムの構築に向け、「みどりの食料システム戦略」を策定しました。中長期的な観点から、調達、生産、加工流通、消費の各段階の取組とカーボンニュートラル等の環境負荷軽減のイノベーションを推進すると指針を示し具体的には
��2050年までに農林水産業のCO2ゼロエミッション化の実現
�⇒�機農業の面積割合を全体の農地の25%に拡大（現在約0.5％）
�２蹴愬戚瑤了藩冦漫淵螢好�換算）を50％低減
�ね�入原料や化石燃料を原料とした化学肥料の使用量を30％低減
��2030年までに食品製造業の労働生産性を最低３割向上
など様々な取り組みを目標に掲げ、農林漁業・食品産業の持続的発展、食料の安定供給の確保に向けて取り組んでいます。
6.植物の生育に欠かせない土壌と団粒構造
作物の栽培に適した土壌は、以下の4条件が必要です。
1.雨による水が適度に保持される
2.適度に排水される
3.土壌の硬さ
4.土壌の性質による通気性
土壌が砂ばかりの場合、透水性は非常に良いですが保水力がありません。
一方、粘土質の土壌では保水力はありますが、透水性はよくありません。
土壌に適度なすき間（孔隙）があると、酸素や水に溶けた肥料成分が十分に根に供給されます。
団粒構造が発達している畑は微生物が多く育ち、有機物が次々に分解されて作物に肥料として利用されていきます。
有機肥料ではさまざまな微生物が働きやすく作物に吸収される形に分解され病原菌も抑えますが、一方の「化学肥料」は限られた微生物しか働かず
物理的かつ生物的な改善効果はほとんど見られないと言われています。
そのため、「団粒構造」を発達させる必要があります。この土壌団粒の形成が「養分の保持」「通気性」「排水性」「保水性」の決め手となります。
7.肥料成分の分解に大きく影響するpH
日本の土地で作物を栽培するpHの適正範囲は5.5〜6.5の範囲でやや酸性側にあります。雨（pHは5〜6程度）の多い日本では土が酸性側になる傾向があるため、酸性側でよく育つ作物が選ばれてきました。
稲やサツマイモ、ジャガイモ、大豆、玉ねぎ、人参など酸性を好む作物が多く、一方ブルーベリーなどpH5などより酸性を好む作物などもあるため栽培する作物によって適正範囲があることを理解する必要があります。肥料養分の効き目にpHは大きく影響し、pHが低すぎても高すぎても殆どの養分の効きが悪くなります。
主要の窒素（Ｎ）、りん酸（Ｐ）、加里（Ｋ）5.5〜7の範囲で効き目がよく他の肥料成分も同様の動きがありますが、鉄（Fe）などは酸性側（pH5以下）に傾くと 水に過剰に溶け作物に悪影響を与えます。
また、土壌微生物の細菌や放線菌はpH5.5より酸性になると活力が低下するため、土壌に入れた肥料など有機物の分解が遅れ作物の生育に大きな影響を与えます。
土壌改良材としての海のヒトデ
日本近海には300種類近くのヒトデが生息していますが、ホタテガイやアサリなどの漁業資源を捕食するため、海の厄介者として扱われてきました。近年様々な研究が進みヒトデ抽出液に含まれる生理ホルモンや酵素、サポニンなどを利用した植物の成長促進効果などが認められ、有効利用法が模索されています。
ヒトデを乾燥させた乾燥ヒトデの成分含有量はカルシウムが多いのが特長で骨板 (外殻)の 主成分が炭酸カルシウムのためと言われています。
それ以外にも植物に有用な窒素（Ｎ）を多く含んでいることも特徴です。
土壌に対する影響ではpH6.5〜pH6.9と中性に近いため土壌の酸性度やアルカリ度を適切な範囲に変え作物にとって生育しやすい環境を整えます。
また、ヒトデは以下の特徴があります。
ヒトデの多孔質構造による土壌改良効果
・単粒構造の土質を団粒構造へと導き土の捕肥力が向上します。・空気の流通を良くし、根の吸収力・土壌微生物の育成につながります。
・保水力が増し、作物が晴天続きでも水分を吸いやすくなります。
・微生物の巣や餌となり、窒素化合物をアンモニアに分解しその後硝酸へと変化させます。
その結果、他の堆肥に比べ含有窒素（N）の吸収に速効性が見られ作物への肥料養分を高めて、土中固定化養分の分解につながります。
また、農薬により減少化した微生物の増殖効果が見られます。
■特長
●慣行栽培（農薬、化学肥料使用）
●特別栽培（農薬化成約5割の使用）
●有機栽培（農薬化成無使用）
のどれでも使えます。
・投入は元肥と一緒に耕起時に投入します
・土中の微生物の活動が活発になります。
・土壌のph調整（pH6.5）ができます。行き過ぎた酸性土壌をアルカリ性へ。行き過ぎたアルカリ土壌を酸性へ。
■使用方法
1kgで約4坪分
1kgで0.13a
1kgで13��
1kgで0.1畝
1kgで0.01反
播種や定植前（1週間前）
・元肥（できれば有機窒素、有機リンカリ肥料）と混合で。
・すべての作物で使用可能です。
土壌改良剤として使用
100坪（1反）【ヒトデの栄養】10kg〜15kg
虫が発生する春先の時期に撒くのがおすすめ。
●葉物野菜や果物など
本葉が下から数えて7枚くらいになったら【ヒトデの栄養】を
土とは混ぜず、3〜5mmの深さで程撒く。
●根菜（さつまいも等の場合）
線虫対策
播種や定植から【ヒトデの栄養】を撒く
土に混和して使用します。
土壌改良剤使用
100坪（1反） 【ヒトデの栄養】25kg
■仕様商品名：ヒトデの栄養
種類：土壌改良材
主原料：キヒトデ
製造：北海道産
判断基準（日本農林規格）：その他の肥料及び土壌改良資材
肥料成分
・窒素：4.4％（肥料等試験法4.1.1.a）
・リン酸：0.79％（肥料等試験法4.2.1.a）
・加里：0.63％（肥料等試験法4.3.1.a）
・カルシウム：19.4％（肥料等試験法4.5.1.a）
・ナトリウム：1.64％（肥料等試験法8.4.a）
・カリウム：0.52％（肥料等試験法4.3.1.a）
・鉄：0.04％（肥料分析法5.17.2）
・カドミウム：0.0004％（肥料等試験法5.3.a）
■内容量
10kg[20L](袋入り）
◆この製品は【有機JAS適合資材】です。
申請者：株式会社ビオライフデイズ
資材名：ヒトデの栄養
登録番号：JASOM-251101
この資材は、【(一社)有機JAS資材評価協議会 有機農産物のJAS別表等への適合性評価済み資材リスト】に掲載されている製品です。
全ての有機JASの農家が、個別に評価することなく有機栽培にお使いいただけます。
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